ラーメン繁盛店秘伝抄 3・4

3 一杯のどんぶりに心を込めろ

大切なことは、一日何百杯のラーメンを売ると言うことではない。ラーメン屋の仕事の価値は、一杯一杯にどれだけ気
持ちを込められるかだ。もちろん、それが、結果として、売り上げの大きな安定に繋がる。
麺の茹で加減、スープの量、脂の量、チャーシューの切り方、具材の整え方、一杯一杯、すべてに心を込めなければ
ならない。驚くべきことに、これだけで、ラーメンの味が、まったく違ってくる。
君にとっては、何百杯のうちの一杯かもしれないが、そのお客様にとっては、掛買いのない一杯なのである。
お客様の要望に合わせた、スープの量、脂の量、麺の茹で加減で提供せねばならず、常連さんの要望は、すべて認
識しておかなければならない。これは、決して難しいことではなく、一杯一杯、丁寧なラーメンづくりを心がけている
と、自然と身についてくるものなのである。

4 旨みを追求するのではなく、素材を活か

旨みの追求は、行き着くところは、「化学調味料」ということになってしまう。玄流のラーメン作りにおいては、素材を活
かすことを第一と考え、それぞれの素材から、最大限に引き出した美味しさを、バランス良くまとめることを目的として
調理を行う。
そうした意味で衝撃的だったのが、マクロビオテックの調理法研究の過程で出会った、多くのベジタリアンの方々
の、「野菜」という素材の捉え方である。
動物系の素材を一切使わないマクロビオテック対応のラーメンの開発が目的だったが、ラーメン作りにおいては、決
して大きな役割を果たしているとは言えない「野菜」という素材と、本気で向き合う契機となった。自然農法の素晴ら
しい野菜たちとの出逢い、それぞれの野菜にとっての最適の調理法を知ることが出来た。それを、「玄菜麺」というメ
ニューにまとめ上げるのは、至難の業であったが、そのとてつもない挑戦でも、大きな成果を得ることが出来たと思う



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