ラーメン繁盛店秘伝抄 1・2

1 化学調味料に頼るな

化学調味料に頼ると言うことは、職人としての怠慢以外の何物でもない。
合理的に収益を上げること自体、大切なことではあるが、最低限、出汁にはこだわるべきだ。素材を理解し、素材に
最も適した調理法を行うことで、化学調味料では絶対表現出来ない美味しさに出会うはずだ。
調理人は、お客様の血となり、肉となる、大切な糧を提供する仕事である。ひと匙毒を盛れば、お客様の生命を犯す
ことすら可能なわけで、化学調味料は、ある意味、その毒であることを、良く認識しなければならない。幼子の脳を破
壊する化学調味料の恐ろしさを認識した上で、自分の子供に毒を盛る者が何処に居るだろうか?

2 店内では五感を研ぎ澄ませ



ラーメン職人は、厨房に居る時、すべての感覚を研ぎ澄ました状態で、店内に展開しているすべての仕事を把握して
いなければならない。視覚、聴覚、嗅覚、触覚、すべてを動員して、今、店内で同時に進行しているすべての作業を
把握していなければならない。
餃子を焼きながら、麺を茹で、常連客の話を聞きながら、カウンターの隅のお客の表情を窺い、具材の在庫を確認し
ながら、仕込みの段取りを考え、スタッフに指示を出す・・・
これを、目を血走らせて行ってはならない。あくまでも、自然体。笑顔を絶やさず、飄々と、作業をこなしていかなけれ
ばならない。決して、一つだけの作業に夢中にならず、それでいて、すべての作業に神経を集中している。剣の達人
のような境地に居る必要がある。

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