ラーメン雑感 7〜10

お客様のクレームとは、真剣に対決しろ!

店は、お客様のクレームで成長する・・・。これはホントだ。
お客様のクレームは、真剣に聞かなければならない・・・。これは、確かだ。
どんな飲食店マニュアルにも、そう書いてある。
だが、こちらも真剣に仕事をしているのであるから、こちらの姿勢も堂々と主張すべきである。主張すべきものがあれ
ばだが。
口答えをしてはいけない・・・が、真剣に、口答えすべき時には、口答えしよう。
他のお客様全員が聞き手だ。ダンボのような耳で聞いているわけであり、ここは、つくり手の想いを、言葉で表現でき
るチャンスであり、自信があるなら、口答えしろ。
例えば、味が不安定! 今日のはまずい!とでも言われたら・・・
→我々は、日々、思い通りにならない天然素材と格闘している。化学調味料で誤魔化さない代わりに、素材自体の
出来、不出来に大きく左右されるのであり、その困難と向き合いつつも、本物の食を追求しています・・・。

利益を出せないならば、失格。ラーメン屋は、辞めた方がいい・・・

我々の仕事は、お坊ちゃまの道楽じゃない。男の生き様の追求として、大きな決断の上で、ラーメン屋に挑戦してき
たはずだ。
私にしても、ラーメンが好きだから・・・などという、ガキのような考えで店を始めたわけじゃない。貧乏のどん底で、ギ
リギリの可能性にかけて開業した。生きるために、必死で追求するのが、ラーメン道だ。立派な店舗で、充分な運転
資金をもって運営できる店は稀だ。
本物の味を追求すれば、原材料費が増え、より良いサービスを追求すれば、人件費も嵩む。だが、それでは、店は
運営できない。基本中の基本。まず、利益が出なければいけない。利益の出ない商いは、犯罪だ。周りの人々に被
害を与えることになるのは必須であり、早急に止めるべきである。
数百円で売る商品に高級素材を使えないからこそ、普通の素材から、最大限に旨みを引き出す工夫をし、足りない
人員で、なんとか店を運営しようとするから、知恵が生まれ、店自体のサービスが創造出来るのである。こうした条件
を乗り越えて会得した、オリジナルな調理方法、サービスがホンモノなのである

店に立つ時は、全神経を集中、五感を研ぎ澄ませ!

目は視界180度を越えて見ろ。
良く磨いたステンレスの壁には、背中側のお客の心の動きも映る。微妙な上体の動きに、お客の声が、見える。
聴覚、嗅覚を全開にし、店の全状況を把握する。お客様の食べる速度、どんぶり内の残量、味に対する反応(表情、
動作として)を常に感じ取っていなければならない。
「水のお代わりが欲しい」という気持ち一つとっても、動作に現れるものであり、こちらから先に聞いてあげる必要があ
る。
「お客様は神様」なのであり、決して不快感を感じさせないよう、常に気を配っていなければならない。


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